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論文掲載のお知らせ
2022-10-22
カテゴリ:医療機関の方へ
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新しい論文が掲載されました。
サルコペニア・低栄養研究センターより新規の原著論文が出版されました。筆頭著者は薬剤師の松本彩加さんです。

Potentially inappropriate medications are negatively associated with functional recovery in patients with sarcopenia after stroke.
Matsumoto A, Yoshimura Y, Nagano F, Shimazu S,
Shiraishi A, Kido Y, Bise T.
Aging Clin Exp Res. 2022 Aug 29.

DOI: 10.1007/s40520-022-02224-7
PMID: 36038811
(解説)
サルコペニアを合併した脳卒中リハ患者における潜在的不適切薬剤(PIMs)とADL改善との関連を検証した後ろ向き観察研究です。
PIMsとは高齢者において薬剤から期待される効果よりも副作用のリスクが高く、例えば入院や死亡リスクを高めるおそれがある薬物を指します。
日本老年学会では2015年にPIMsを「特に慎重な投与を要する薬物」としてリストアップしています。
研究の結果として66.8%の患者が入院時にPIMsを処方されていました。
最も頻繁に処方されていたPIMsは、①PPI、②抗精神病薬、③ベンゾジアゼピン、④非ステロイド性抗炎症薬、等でした。
多変量解析では、入院時のPIMs数は退院時FIM運動項目(β=- 0.132, p=0.001)及び握力(β=- 0.091, P=0.048)と独立して負の関連を認めました。
結論:脳卒中後のサルコペニア高齢者において入院時のPIMs処方数が多いことは退院時のADLおよび筋力と負の相関がありそうです。        
          
           サルコペニア・低栄養研究センター 吉村芳弘