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住み慣れたところでその人らしく
幸せに活き活きとした生活を送るために

KUMAMOTO REHABILITATION HOSPITAL
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論文掲載のお知らせ
2020-10-05
当院サルコペニア・低栄養研究センターから新しい原著論文が学会誌JSPENに掲載されました。看護部から初の原著論文です。
原著
嚥下機能と栄養状態は回復期リハビリテーション後の自宅退院に影響を与える
砂原貴子,吉村芳弘,備瀬隆広,嶋津さゆり
学会誌JSPEN Vol.2 No.4 (日本臨床栄養代謝学会)
論文はこちらから

現在はJSPEN会員に全文公開されていますが、1年後には非会員にもオープンアクセスとなります。

(解説)
当院回復期リハビリテーション病棟に3年間に連続入院した 2,184 人の患者(脳卒中637人、平均年齢72歳、女性44%;大腿骨近位部骨折348人、平均年齢78歳、女性73%)を対象とした後ろ向きコホート研究です。
本研究では自宅退院に関連する臨床因子を検討しました。
交絡因子を調整した多変量解析の結果、脳卒中では入院前居住地が自宅であったこと(オッズ比 10.6)、ADL改善(同 1.056)、嚥下障害(同 1.4)が自宅退院と独立して関連していました。
大腿骨近位部骨折では入院前自宅(同 74.7)、栄養状態(同 1.516)が独立して自宅退院と関連していました。入院前自宅のオッズ比が高いのは当然です。
本研究の結論として、回復期リハビリテーション病棟からの自宅退院には、脳卒中では嚥下機能が、大腿骨近位部骨折では栄養状態が他のADLや認知レベルなどの臨床因子とは独立して関連していることが示唆されました。
自宅退院の促進のためにADLの改善と同時に多職種での嚥下障害や栄養状態の評価と介入が必要であると思われます。
サルコペニア・低栄養研究センター長/リハビリテーション科 副部長 吉村芳弘
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